引きこもりというと若者に注目しがちですが、実は中高年の引きこもりも社会問題になっています。これまで若者の引きこもりにばかり注目していたので、中高年の情報は殆どなく政府や自治体は最近になって本格的な調査をしているといった状況です。

ここでは引きこもりの原因や対策については述べません。社会人や社会経験のある人を対象に引きこもってしまった人が抱える、イライラした精神状況の原因と対処方法について説明していきます。

引きこもりはストレス耐性が弱い

引きこもってしまった原因のひとつには、何らかの大きなストレスがあるでしょう。同じようなストレスを社会人であれば経験するはずです。同じ会社に勤める同僚だって同じストレスを抱えていたかもしれません。では、なぜ自分は引きこもりになってしまったのか・・・。それは、引きこもってしまった人は、ストレスへの対処や耐性、ストレスの原因を解決する能力に乏しいというのが一因にあります。

イライラの原因は性格にあり

イライラは、誰もが持ちうる精神状態です。物事が上手く進まなかったり、他人から自分が望んでいないような対応をされたりするとイライラします。例えば、「なぜ、自分はお客さんを獲得できないんだ」とか、「あの上司は、○○さんばかりえこひいきして、正しく評価してくれない」のような状況です。

自分自身は正当である場合がほとんどでしょう。しかし、社会には正しい人だけが存在するわけではありません。稚拙で幼稚な大人だって存在します。そんな人間と関わる必要が生じ、悪いことに敵対してしまったら運の尽きかもしれません。

何が言いたいかというと、社会には自分の思い通りならないことが存在し、他人は自分のことを都合よくは扱ってくれないということです。にもかかわらず、いつまでも他人に影響されて、ストレスを抱え込むことは社会で生きて行くには不都合な性格といえます。

引きこもりがイライラしやすい理由

引きこもってしまった人がイライラしやすい理由は、多くの場合、現状を社会や会社の責任として現況を受け入れられず納得のいかない気持ちを抱えているからです。繰り返しになりますが、イライラしやすい人が保つ性格が原因になっています。

人に指摘されるとイライラがつのる

慢性的な不満と無気力感からくるイライラを常に抱えているので、創造的なことや論理的な思考のために時間を使うことが困難です。何もしていない、何もできない状況を家族などにとがめられると、さらにイライラはつのります。

飲酒によりイライラする

酒を飲む女性

中高年の引きこもりの場合、昼夜をとわずお酒を飲んでいることもあります。精神的ストレスのはけ口を飲酒に求めてしまうと、アルコールに依存してアルコールが切れたとき精神的に不安定になってしまいます。

喫煙によりイライラする

喫煙もイライラの原因です。お酒と同様に中毒性があるので、タバコを吸えないような状況になったときはイライラがとまりません。タバコがないと物事に取り組めず、集中力が続かない状態になってしまいます。自分でコントロールできる範囲であれば問題はないのですが、コントロールできないと仕事に就くことは難しくなってしまいます。

昼夜逆転の生活でイライラする

家庭用ゲーム

朝から昼間にかけて太陽の光を浴びないと、体のリズムが乱れやすくなります。人間の活動的な状態をつかさどるセロトニンというホルモンは、太陽の光によって分泌されます。夜、寝るときはセロトニンというホルモンにより体は休息状態に移行し、睡眠へと誘われます。セロトニンには精神安定させる効果もあるので、夜型の生活が続き体のリズムが乱れてしまうと、ストレスへの耐性が弱くなりイライラしやすくなるのです。

しかし困ったことに、単に生活のリズムを変えれば引きこもりが解消されるわけではありません。引きこもりの人は、他の人が活動している昼の間は、世間にどんどん取り残されてしまうような不安や焦りにさいなまれ、辛くなることがあるので横になり考えないようします。一方、みんなが寝ている夜は、周囲を意識せず、楽に過ごせることがあるようです。

イライラがたまるとどうなるか

暴力と女性

昼夜逆転の生活で体のリズムが乱れているときや、ストレスを解消できず自分の中にたまったエネルギーを発散できないでいると、イライラはたまっていきます。イライラが限界に達するとチョットしたこときっかけで、自分でもどうにもできないもどかしさが起こり、家族にイライラをぶつけてしまうことがあります。言葉だけでなく、身体的な暴力をふるってしまうこともあるでしょう。

引きこもった状態が長く続くと、強迫行為という症状が現れる人もいます。強迫行為とは自分でも変だなと思いながらも、手洗いや鍵の確認などの行動を何度も繰り返し、止めようとしても自分では止められないような状況です。これは、ひきこもっている状況そのものが、将来への不安を引き起こしやすくなります。不安に駆られて、あるいは不安を和らげるために、強迫行為が生じてくると考えられます。

イライラが限界に達する前に・・・

引きこもりでなければ、イライラがたまる前に散歩やスポーツなどをして体を動かしたり、友人と遊びに行ったりしてストレスを発散できます。しかし、引きこもってしまった人はそれができません。外出することはまれで、自室から出ることができない人もいます。

引きこもってしまった人の心強い味方は家族です。家族にイライラしている状況を、自分のことを話してみましょう。それが無理であれば、紙に書き出すことでイライラを緩和することができます。