「私は意志が弱い」「私は直ぐに横道に反れてしまう」「私は何をやっても長続きしない」など、自分の意志の弱さを感じた経験は誰にでもあると思います。仕事や勉強、ダイエットなど、なんでもそうですが、成功を収めるためには継続した努力が必要になります。

「目標を達成できるスペシャリスト」と言われて直ぐに想像できるのは、スポーツ選手ではないでしょうか? 起業家やプロジェクトチームのリーダーなんかを想像した方もいると思います。ではそういった人はどのようにして、目標を達成していると思いますか? 何か特殊な手法や訓練が必要だと思われがちですが、以外と簡単な手法で実現することができるのです。

具体的な目標設定をする

なぜあなたは、勉強をしているのですか? 仕事をしてるのですか? ダイエットをしようとしてるのですか? 勉強をしている受験生ならば大学に行きたいとか、自分のやりたい仕事で成功したいなどの夢があるでしょう。意志が弱くて勉強ができないという方は、”夢”をより現実的に考えて、具体的な目標設定が必要です。

仕事でかんばろうとしている方は、その仕事の先にあるもの、努力の結果得られるものを具体化し目標を設定します。ダイエットをがんばろうとしている方は、ダイエットしてかわいい彼女、かっこいい彼氏をゲットしたいなどでしょうか。

目標が曖昧な状態では、くじけそうになったときに心を踏みとどまらせる具体的なものがないので、直ぐに挫折してしまいます。まずは、目標を具体化することが最優先事項です。

イメージトレーニング

目標を設定したら、目標を達成した自分を想像してみましょう。そこにはどんな自分がいますか? 満面の笑みを浮かべ幸せいっぱい、充実した自分がいませんか? 目標を達成した自分をなるべく強くイメージしてください。このイメージトレーニングは、潜在意識に働きかけ、無意識下で起こり得る目標から逃げてしまう可能性を無くすためのものです。

より具体的に「日々の目標を完璧にこなし、満足している自分」、「目標に一歩近づいて、喜んでいる自分」をイメージしてもよいでしょう。成功しているイメージは具体的でよりたくさんあった方が、潜在意識により強く残ります。

イメージトレーニング

思考実験の検証と対策

イメージトレーニングをしていると、目標達成の障害が現れるでしょう。弱気な自分、これまでできなかった自分・・・。そんなマイナス思考は、プラス思考へと置き換える必要があります。頭で考えてること思っていることは、現実のものとなってしまうからです。

例えば、ゲームやスマフォが勉強の障がいとなっているならば、「勉強をするときは、電源を切るから勉強は続けることができる」。間食がダイエットの障がいとなっているのならば、「お菓子は買い置きせず、お腹が空いたときに代わりにお腹を満たす何かを準備するから、ダイエットできる」のように、障がいを乗り越えるための思考を繰り返し、それに対しての具体策を準備することです。これは、声に出して行うことをオススメします。頭の中にだけ留まっている思考が、声となってあらためて耳から入るので、自分の考えを客観的に捉え、筋が通っているかをより論理的に判断することができます。

思考実験を行う中で、およそ障がいとなりそうなものは排除できたのではないでしょうか。”排除”というと少し大げさに感じるかもしれませんが、あなたが抱いている目標を達成するには必要なことです。特に何度も挫折している方は、障がいとなるものと排除した環境作りが必要です。

シングルタスクを心がける

コンピュータの世界ではマルチタスクがもてはやされますが、人間はマルチタスクには向いていません。コンピュータは、複数のタスクを複数の脳(CPUやメモリ領域)で処理しています。人間にはそんな芸当はできませんよね。人間が複数のことをこなそうとすれば、別のタスクに移行するための準備や気にとめておく必要があり、集中して現在のタスクをこなすことができません。目標を達成したければ、そのほかのタスクは事前に処理しておくか、別日にまとめて処理することをオススメします。

とは言っても、割り込み要求的にイレギュラーなタスクが生じることもあるでしょう。その場合は仕方がありません。他に変わってくれる人ががいなければ、邪魔されたことにイライラせずに素早く終わらせます。断ることができるのであれば、きっぱりと断ることも必要です。

シングルタスクを心がける

ストレスは貯めない

目標に向かって一直線! と行けばよいのですが、そう上手くはいかないでしょう。日々の生活も平行してこなす必要があり、どうしてもストレスは生じてしまします。ストレスを感じていると呼吸が浅くなり、十分な酸素が脳へ届かなくなってしまいます。その結果、パフォーマンスが低下します。ストレス解消の具体的な方法をお持ちの方は、それを思考実験に取り入れてください。具体的な方法がないという方は、空気の良い山や海、公園などへ行って散歩したり、軽くスポーツしたりすることをオススメします。

ストレスを貯めないための考え方も大切です。他人へ対してストレスを抱く人は、他人を自分が制御できる、つまり他人は自分の思っているように動くべきだと心のどこかで思っています。他人は自分の思い通りには動いてくれないし、対応してはくれないのです。論理では当たり前だと分かっていても、感情面までは上手くコントロールできないと思います。この不都合な思考は、必要以上に自分を苦しめることになりますので、あらためたい考え方です。

信念を貫く

イメージトレーニングでも言えることなのですが、目標を達成できることを信じることです。人間の意思決定は、普段意識しない潜在意識によって行われています。それならば、物事を考えるたり、感じたりする顕在意識でいくらイメージトレーニングを行っても意味がないのでは? と思われるかもしれませんが、潜在意識は顕在意識の積み重ねでもあるので、イメージトレーニングにより塗り替えることができるのです。

しかし、「目標を達成できる」と信念を貫く、自分自身を信じるには、これまでの努力の積み重ね、そして段階的な成果が必要です。そのためには、小さな成果が結果として分かる小さなゴールを設定するとよいでしょう。大きな目標を達成するための段階的な目標です。努力と成果があってこその信念であるということはお忘れなく。