もしかしたら、パートナーや子どもが一緒に寝てくれない原因は、あなたの「いびき」のせいかもしれません。他人のいびきは気になるのに、自分のいびきは睡眠中のことなので分かりづらく、人に指摘されて初めて気づくことも・・・

いびきが原因でパートナーや子どもと不仲になってしまったらイヤですよね。また、大き過ぎるいびきや不規則ないびきは病気の可能性もあります。

どうして、いびきをかくのか?

睡眠中はセロトニンという脳内物質の働きが弱くなり全身の筋肉がゆるみます。舌やのどの周辺の筋肉も同様で、横になると筋肉は重力によって下へと落ち込み気道が狭くなります。呼吸の際、狭くなった気道を空気が通ると粘膜が振動しやすくなります。

いびきのメカニズム

睡眠中は舌やのど周辺の筋肉もゆるむ

重力でのどの周辺の筋肉が下へ落ち込む

気道が狭くなる

狭くなった気道を空気が通る

粘膜が振動して「いびき」となる

一般的に空気の通り道、気道が狭くなればなるほど振動音は大きく、体には負担がかかるようになります。気道が狭くなってしまう原因は、次のようなものが考えられます。

いびきの原因

ほとんどの人がいびきをかくと思いますが、吐息ほど小さい人、ゾウがうなりをあげているような大きな音を出す人もいます。それは、いびきの原因を見てみると理解できます。

仰向けで寝るといびきをかきやすい

「仰向けで寝るといびきをかきやすい」といわれています。重力によって舌が気道へと真っ直ぐ落ち込むからです。横向きで寝るよりも、気道は狭くなります。

飲酒のあとは、いびきをかきやすい

アルコールには筋弛緩作用により、舌やのど周辺の筋肉がさらに緩みやすいからです。気道は狭くなり、いびきをかきやすく、普段からいびきをかく人は、さらに大きないびきになります。

タバコを吸う人は、いびきをかきやすい

タバコに含まれるニコチンやタールにより、のどが炎症し気道が狭めてしまうからです。ヘビースモーカーの人は注意が必要です。

飲酒、喫煙はいびきの原因

風邪をひいたときは、いびきをかきやすい

のど周辺の扁桃腺はウィルスや細菌から体をまもる免疫機能を持っています。風邪に限ったことではないのですが、扁桃腺が過剰に反応すると肥大して、気道が狭くなりいびきをかきやすくなります

口呼吸の人は、いびきをかきやすい

口呼吸のために口を開けると、そのスペースを確保するために舌がよりのどに落ち込むためです。気道は鼻呼吸よりも狭くなるので、いびきをかきやすくなります。風邪や花粉症などで鼻がつまりっているときも、口呼吸になります。

日本人は、欧米人よりもいびきをかきやすい

日本人の顎は欧米人よりも狭く、鼻も低いので空気がとおるスペースが元々せまいので、いびきをかきやすいのです。こればかりは対策しようがありません。

太っている人は、いびきをかきやすい

太っている人は、いびきをかきやすいは、一番多く聞かれる原因のひとつです。太っている人は、舌の周辺や喉の内側に余計に脂肪がついていることが多いため気道が狭くなります。よって、いびきをかきやすく、いびきの音も大きくなります。

いびきの対処法と予防法

いびきの原因は分かったので、自分の生活習慣や健康状態と振り返ると対策や予防法は立てられそうですね。

肥満解消

やはり一番気になる健康状態は、肥満でしょう。肥満はいびきだけでなく、様々な生活習慣病の原因にもなります。食生活の改善と適度な運動で、健康的にダイエットしましょう。

自分が肥満かどうかは、BMI値と腹囲で判断します。

肥満と判断される腹囲

・男性:85cm以上
・女性:90cm以上
腹囲の計測

肥満と判断されるBMI値

BMI値:25以上
計算式:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

両方の条件を持つ人は肥満体質です。

普段から鼻呼吸を意識する

朝起きたとき、のどが痛かったり、乾いていたりする方は口呼吸をしている可能性が高いです。睡眠中の口呼吸はいびきの原因なので、起きている間も鼻呼吸を意識しましょう。ストレスを感じているときや姿勢が悪くなっているときに口呼吸になりやすいので、より意識するようにしましょう。

鼻呼吸では、空気中に含まれるほこりやばい菌などを鼻毛や鼻の粘膜で除去することができます。鼻呼吸の人は、口呼吸の人よりも病気になりづらいともいわれています。起きている間は意識して気をつけることができますが、睡眠中はそうもいきません。口が開かないようにするための専用テープなどもあります。

横向きで寝る

仰向けに寝ると舌が気道に向かって落ち込んでしまいます。重力の影響を避け、気道を確保しやすいのは横向きで寝るといびきは軽減できます。寝る姿勢の好みは人それぞれですし、寝てしまってから横向きの姿勢を保てるかどうかはいささか疑問です。

横向きの姿勢で寝ることに抵抗がある人にオススメなのが、抱き枕です。抱き枕を抱くことにより、血流の悪化やしびれ、膝同士が当たって不快に感じることを防げます。タオルなどで枕を5cmほど高いところを作っておくと、横向きに寝たときに枕が低いと感じるのを防いでくれます。

マウスピースをつけて寝る

マウスピース

いびきの防止にはマウスピースも効果的です。マウスピースを口にはめると下あごが少し前に出るようになり、仰向けで寝ているときの舌の位置も上がります。そのため、舌が落ちてしまうのを防ぎ、気道が確保され呼吸をしやすくしてくれます。

マウスピースは、歯ぎしりによる音や歯の摩耗も防止できますので、歯科を受診して作成してみてはいかがでしょうか。

チェーンストラップをつけて寝る

チェーンストラップ(いびき防止ストラップ)という器具を装着すれば、口呼吸を強制的やめることができます。柔軟な素材できており、装着感も工夫されています。安価に購入できるので、試してみる価値は十分にあります。

チェーンストラップ

サプリメント

最近、快適な睡眠をサポートするサプリメントが登場しています。ミネラルやコエンザイムなどを含んだ製品が多いようです。効果のほどはサプリメントの説明や利用者の声などを判断材料にしてください。

ご自分でいびきのコントロールができない場合は、医療機関を受診していびきの原因と対策をすることも必要です。お酒やタバコ、高血圧、肥満などにより、睡眠時無呼吸症候群という病気である可能性もあります。睡眠時無呼吸症候群の治療にはCPAP(シーパップ)という呼吸器をつけて、鼻らか空気をおくります。CPAPにも動作音はありますが、いびきの音に比べれたたいしたものではありません。