イメージトレーニングというと一流のアスリートが行うようなもので、一般人には無縁のものと思われがちですが、そうではありません。誰にでも受験や就活、大事なプレゼンなどの絶対に負けたくない勝負所があります。そんなのとき、本番をイメージしてあれこれ対策やシミュレーションをして本番に備えるでしょう。

一流のアスリートが行うようなイメージトレーニングを実施して本番に備えれば、私たちでも金メダリストのような成果が得ることだって可能です。イメージトレーニングはなぜ効果的なのかを説明し、その実践法を紹介します。

顕在意識と潜在意識

脳のイラスト

イメージトレーニングの説明の前に、私たちの意識(自分が現在何をやっているか、今はどんな状況なのかなどが自分でわかる、心の働き)についての理解が必要です。

顕在意識とは

顕在意識とは、私達が普段意識することのできる意識のことです。例えば、「昇級試験のために勉強しよう」とか、「夏までに5キロダイエットしよう」のように、何かを実行したいという決定に対して自分の意思がともなうものです。

潜在意識とは

潜在意識とは、私達が普段意識することのできない意識のことです。スマフォに例えると、何かのアプリを操作しているときに、スマフォは見えないところ(操作している私たちが意識できないところ)で膨大な処理を行っています。「膨大な処理」が人間の脳でいうところの潜在意識になります。

意識の90%は潜在意識が占める

私たち人間の意識のうち、顕在意識の占める割合は10%、残りの90%が潜在意識で占められています。つまり、私たちの活動への影響力は、普段から意識できる顕在意識より、意識できない潜在意識の方が圧倒的に大きいのです。これを時間に換算すると人間の起きている時間のうち、15時間以上は潜在意識が使われていることになります。

イメージトレーニングをして潜在意識をコントロール

イメージトレーニングは潜在意識に働きかけるトレーニングです。イメージトレーニングは、「その人が持つパフォーマンスを向上させる」と科学的にも証明されています

脳は「実際の経験」と「頭の中で鮮明に描いた想像上の経験」を区別するのが苦手です。想像上の経験(イメージ)でも、実際の経験でも脳は同じような領域を使って情報処理を行っています。よって、イメージトレーニングを繰り返し成功体験を脳にすり込めば、それによって得た自信や感触によってパフォーマンスが向上するのです。

イメージトレーニングには運動と同様の効果あり

フリースローする女性

何かしらの運動をイメージすると、実際に運動したときと同じように脳の運動野や体制感覚野が活動し、イメージに関連する筋肉にも放電が起きることがわかっています。一見すると、ただ座っているように見えても運動をイメージしている人は、実際に運動しているときと同じように脳と筋肉が反応しています。

実際の運動に対して、運動をイメージしたときの脳の活動量は3割程度だといわれていますが、イメージトレーニングを繰り返すことでこの割合を増やすことができるのです。

イメージトレーニング4つのポイント

イメージトレーニングは、脳に成功体験をすり込むことで潜在意識をコントロールしたり、実際に運動したときとような脳の活動を得たりするものであり、イメージ力が強ければ強いほど効果があります。イメージ力をアップする方法を4つ紹介します。

五感を意識しながらイメージ

五感の図版

イメージトレーニングでは、自分がまだ実現できていないことをイメージするので経験のないことを鮮明にイメージするのは難しいことです。しかし、実現したいイメージと過去の経験を結びつけることで、強いイメージを作ることができます

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、すべての五感を意識し、イメージを作り上げるトレーニングをします。五感を組み合わせたリアルなイメージは、脳がイメージと同じ経験をしたと錯覚します。脳の「実際の経験」と「頭の中で鮮明に描いた想像上の経験」を区別するのが苦手という性質を利用するのです。

第三者視点によるイメージ

スピーチやプレゼンのような一度きりの勝負事では、極度の緊張状態が想定されます。五感をフルに意識したイメージは主観的なものになります。このような場合、自分と聴衆などを俯瞰したイメージ作り上げ、自分の状態を客観視することにより緊張した中にも平穏な精神状態を築くことができます。

大事なところはスロー再生とリピート再生

リピート再生、スロー再生の図版

大事なシーンは、スロー再生とリピート再生を繰り返しイメージします。イメージトレーニングでは、慣れてしまえばイメージした通りに想像体験をコントロールできます。しかし、現実ではそうはいきません。一流のアスリートでも反復練習を繰り返し、失敗する確率をゼロに近づけます。イメージトレーニングでも反復練習は重要です。

毎日10分と決めてトレーニング

イメージトレーニングでは脳をフル回転させるため、かなりの集中力が必要です。そのため、長時間のイメージトレーニングは効果がでにくいと言われています。慣れるまでは、トレーニングは10分以内と時間を決め集中して行いましょう

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脳が持つイメージ力は、実際の体験に匹敵するということがおわかりいただけたと思います。体を使った練習を闇雲に行うだけでなく、イメージトレーニングを併用すれば、体の動きや本番での精神状態をイメージに近づけていくことができるようになるでしょう。