新しい環境での生活が始まってから1ヶ月が経ち、ゴールデンウィーク開けの仕事で心身ともにストレスを感じるころです。疲れやストレスをため込んでしまうと、普段は苦もなくできていた生活習慣が面倒になってきます。入浴の際、いつもは湯船につかっているのに、ついついシャワーだけにという方もいるのではないでしょうか。

日本人の生活は欧米化していて、若い人や忙しい社会人の中には入浴はシャワーだけという方も多いと思います。実は日本人の「湯船につかる」という入浴方法は、ストレス解消にとても効果があるのです。湯船につかることが、なぜストレス解消になるのかを説明していきます。

入浴はストレス解消に効果的

湯船

あまりにも疲れていると睡眠前に入浴せず、翌朝にシャワーを浴びる方もいるでしょう。お風呂を沸かすのには多少の時間がかかりますし、湯船を洗うのは面倒かもしれません。しかし、疲れているときこそ湯船につかってください。疲労回復、ストレス解消にとても効果があります。

入浴で体をリフレッシュ

汗を流し、気分をリフレッシュするだけであればシャワーで十分ですが、入浴にはシャワーでは得られない効果があります。

入浴によって体温が上昇すると、新陳代謝が活性化して老廃物が排出されやすくなり疲労が改善されます。シャワーでも長時間浴びれば同様の効果が期待できますが、毎日のように数十分もシャワーを浴び続けると光熱費が気になってしまいます。

湯船に体を沈めると、全身に浮力や水圧が働きます。浮力と水圧には適度なマッサージ効果があり、体をリフレッシュしてくれます。体温を上昇させる効果はシャワーにもありますが、浮力や水圧によるマッサージ効果は湯船に浸からなければ得られません。

入浴は快適な睡眠も促してくれる

寝ている少女

入浴すると体温が上昇し、上昇した体温はお風呂から出た後に少しずつ低下していきます。このとき、自律神経は交感神経からリラックスや睡眠時に優位になる副交感神経への切り替えが行われます。入浴後の体温の低下には、この切り替えをスムーズにしてくれる効果があります。ストレスがたまっていると、この切り替えに支障をきたすことが多くあります。

副交感神経が優位な状態では、幸せホルモンであるセロトニンの分泌が活発になります。セロトニンは全身の筋肉が適度に弛緩し、疲労や緊張により凝り固まった筋肉がほぐしてくれるのでリラックス状態になります。この状態がもっとも入眠しやすく、質の高い睡眠がとれるタイミングなのです。

効果的な入浴のための4つのポイント

自律神経の切り替えがスムーズに進む入浴のポイントは次の4つになります。

お湯は38前後

お風呂は38℃前後が適しています。42以上の熱いお湯に浸かると交感神経の働きが活発になり神経が高ぶってしまいます。朝に入浴する場合は、目覚めを良くし日中の活動へ体を移行するために高めの温度が効果的ですが、寝る前の入浴ではぬるめの温度に設定して、副交感神経がはたらきやすい状態を作ります。

湯船につかるのは20分程度

神経は体の内部にもありますので、体表面だけが温まっても意味はありません。体の芯まで温まるようゆっくり浸かることで、神経や筋肉の緊張もほぐれ心も体もリラックスできます。長風呂はせず湯船につかるのは20分程度がいいでしょう。

就寝の2時間前までには入浴すること

交感神経から副交感神経へ切り替えは、入浴してから2時間ほど経ったころに行われます。そのタイミングで布団に入れるようにするには、入浴は就寝時間の2時間前までに済ませるのが適切です。

マッサージで血液の循環をさらによくする

マッサージ

交感神経や副交感神経の働きをよくするには、体温の調節が必要です。入浴時にマッサージを行えば血液の循環をさらによくすることができます20分も湯船につかることができない方は、マッサージをして血液の循環を促進させましょう。

血流は心臓から遠いところほど悪くなりやすく、特に足の末端部は血液が滞りがちです。湯船につかりながら、ふくらはぎや太もも全体をまんべんなくマッサージします。足裏のツボ押しも効果的です。

入浴する気力がない、というときには

精神的な疲れがひどくなると、これまで習慣的に行ってきたことさえできなくなってしまうことがあります。そのような場合は無理をしないことが大切です。「入浴することが絶対必要」という強迫観念にとらわれてしまっては逆効果です。

入浴は心身のリフレッシュに効果的ですが、無理に毎日入浴する必要はありません。湯船につかるのが大変であればシャワーだけでも、シャワーも大変だと思うのであれば足湯だけでも十分です。足湯にも血行をよくする効果は十分にあります。

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ストレスとの上手な付き合い方は、体の疲れと同じように、「その日のストレスはその日のうちに解消すること」です。湯船につかれば心身ともにリフレッシュしますし、快適な睡眠を得る効果も期待できます。五月病かも・・・と感じている方は、症状が悪化する前に毎日湯船につかり、心身ともにリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。