細菌

暖かい季節になると気になってくるのが「汗」です。特に季節の変わり目は、冬のように暖房が効き過ぎているお店やオフィスがあったりして、体温調整が上手くできないこともあります。また、4月からは新年度がスタートし、新しい環境で仕事をしている人も多いでしょう。精神的なプレッシャーを受けると体温調整のための汗ではなく、手汗や脇汗などのいやーな汗が出てしまいます。

汗とニオイの関係

経験上、汗をかいた直ぐ後はニオイが気にならないことがわかります。ちょっと油断して汗をそのままにしていると、臭ってくるようになります。また、汗をたくさんかいたときに着ていたシャツを丁寧に洗濯しないで着回すと、汗染みやニオイが残っていたりもします。

汗の成分はほとんどが水分で、汗そのものが臭い訳ではありません。体にもともといる細菌が汗により増殖することで、臭ってきます。汗をかいてから臭ってくるまでの時間は、「1時間から2時間」と言われています。つまり、汗をかいたら1時間から2時間以内にこまめに拭きとることで、ニオイは防げます。汗をかいた場所を清潔に保つことが重要なのです。

サラッとした汗

外気の影響を受けて体温が上がり体温を下げたいときにかく汗は、アルカリ成分が少ないため水に近いので乾きやすく、ニオイはほとんどしません。肌は酸性に保たれるため、ニオイの元となる細菌が繁殖しづらい環境を保てます。

分泌物の多いベタベタした汗

体を動かし体が酸素不足のとき、筋肉では乳酸が発生します。その乳酸には汗腺でアンモニアを増加させる性質があり、ニオイのある汗になります。アンモニアはアルカリ性なので細菌が繁殖しやすくなり、さらにニオイを発生させる原因となります。この汗は分泌物が多くベタベタしているので、乾きにくいという特徴もあります。乾きにくいと言うことは気化熱による体温調整がしづらいということです。

汗対策グッズ

制汗グッズいろいろ

人によって汗の量やニオイの強さは異なりますので、自分にあった制汗グッズを選択しましょう。

ボディシート

「汗をかいたら直ぐに拭く」。これが鉄則です。汗をかいたらトイレなどでこまめに拭き取りたいというときに便利なのが、ボディシートです。サイズが大きいので、体のあちこちを拭くことができます。脇の下をチョット拭きたいときは、フェイスシートでもよいです。

気をつけたいのは、綺麗な所から拭くこと。脇の下を拭いて、まだ拭けそうだから首筋を・・・これはNGです。ボディシートで拭いたからといって細菌がゼロになるわけではないので、細菌が綺麗な場所に移ってしまいます。ゴシゴシと強く拭くのもNGです。肌を傷めて炎症を起こしてしまいます。

制汗スプレー

制汗スプレーは汗が出てくる「汗腺」を塞ぎ、汗の量を抑える効果があります。制汗スプレーを使うタイミングは、汗をかく前です。汗をかいてニオイが気になるから制汗スプレーを使っても、汗のニオイを制汗スプレーのニオイでごまかすだけです。

汗腺を塞いでしまうので、汗をかきやすい、ニオイが気になるところだけに使いましょう。汗が出ない状態は、体に負担をかけてしまいます。

ロールオンタイプの制汗剤

ロールオンタイプの制汗剤は制汗スプレーよりも効果が高く、直接ニオイが気になる場所に塗ります。効果が高い分、刺激も強いので肌に合わない人もいます。ロールオンタイプの制汗剤は、ボール部分が直接肌に接触するので、塗りたい箇所は清潔な状態にしてから使用します。そうしないとボール部分に細菌が繁殖して、制汗剤のボール部分が臭ってしまいます。

スティックタイプの制汗剤

スティックタイプとは、スティックのりのような形状をしています。使用方法は、ロールオンタイプの制汗剤と同じです。粘性が高い制汗剤で汗腺を塞ぐので、制汗力はスティックタイプのほうが高めです。

クリームタイプの制汗剤

クリーム状の液体を手で取り、ニオイが気になる場所に直接塗り込むタイプの制汗剤です。お手軽感は他の制汗剤に劣りますが、制汗力は非常に高いのが特徴です。朝シャワーを浴びた後など体が清潔な状態のときに使用して、その後は汗の拭き取りを行えば、大抵の人のニオイは防げます

汗わきパット

汗をかきやすい脇の下につけます。汗染みになりやすい衣類を守るだけでなく、汗を吸収するので清潔に保てます。女性が使うイメージがありますが、脇汗が気になる男性も使って欲しいグッズです。使い捨てと洗濯して使えるタイプがありますが、清潔に使用できる使い捨てタイプがオススメです。100円ショップなどで、4回分(8枚)が100円で売られています。

体を清潔に保つ工夫

体を清潔に保つ方法

ニオイが気になる部位の毛を処理する

脇の下などニオイが気になるところは、毛をトリマーやハサミなどを使って毛を切ってしまいましょう。短時間で汗を拭き取れるようになるので清潔に保ちやすく、直接塗るタイプの制汗剤が塗りやすくもなります。全て剃ってしまうと肌トラブルの原因になりますし、チクチクと痛く気になってしまいます。適度に処理することがポイントです。

ボディーソープよりも石けんが効果的

体を洗うときは殺菌作用が強い石けんがオススメです。ボディーソープの場合、殺菌性をうたっている商品を選択する必要がありますが、石けんの場合は普通に売られているものでも殺菌性があります。蒸れてニオイが気になる足などは、石けんを使ってゴシゴシと洗いましょう。

お湯で洗濯する

体をいくら清潔に保っていても、身につける衣服に雑菌やニオイが残っていては効果がありません。除菌性能が強い洗剤を使用しても、洗濯物を干したときのいやーなニオイはなかなかとれません。このイヤなニオイの原因は雑菌です。

このニオイを取りさるには酸素系の漂白剤を併用し、45度以上のお湯に15分ほどつけ置き洗いをします。お湯を使うことで、洗剤に含まれている酵素のはたらきが活性化されるのです。1ヶ月に1回行えば効果が持続します。15分間のつけ置き洗いはお湯で行い、後の洗い、すすぎはいつも通り水でOKです。

日本ではお湯で洗濯することに馴染みはありませんが、ペストなどの伝染病が流行した歴史のあるヨーロッパでは当たり前のことになっています。

まくらカバーは定期的に取り替える

男性は特にまくらのニオイが気になると思います。まくらについた雑菌は、まくらと接する後頭部などに繁殖して独特の加齢臭を発生させます。まくらカバーは、汗をかいた日は毎日、かかない時期でも3,4日で取り替えるようにしましょう。

いかがでしょうか。本格的な汗の季節「夏」を迎える前に、汗をコントロールする方法やニオイを抑えるための準備、対策を今のうちからしておきましょう!